裏庭の片隅を掃いていると興味深い光景を目にしました。
カマキリ二匹とバッタ一匹です。
一匹のカマキリは無惨な姿ですが、もう一匹は何か用か、と言わんばかりにこちらを見ています。
バッタは少し食べられてしまって死んでいます。
どういう状況なのかよく分からないので観察します。
無惨な姿のカマキリは胸部から上がありません。
カマも片方はなくなっており、もう一つも取れそうです。
バッタが気になりますが、おそらく交尾の途中にオスが食べられてしまったのでしょう。
頭部を食べられてもオスは交尾を続けられると言います。
子孫を残すのも命がけなんですね。
カマキリの共食いというのもよく聞きます。
これも自然の摂理です。
そのまま置いておきました。
翌朝になって見てみると、元気だった方のカマキリがいません。
襲われたカマキリはそのままです。
傷跡が黒っぽく変色していました。
そのまま放っておくのもどうかと思ったので移動させようと触ってみると、かすかに動いたではありませんか。
つまみ上げると足を動かします。
まだ生きています。
驚きましました。
とりあえずプランターの中に入れて様子を見てみることにしました。
そしてなんと、体をつつくと羽を広げて威嚇します。
まるでいつもと同じ感じです。
頭がないのにどこで判断しているのでしょうか。
カマもかすかに動かして枯れ葉をつかんでいます。
おなかはまだみずみずしく、たまにヒクヒク動いています。
さらに驚いたのが、糞をし始めたことです。
その糞もみずみずしく、とても頭のないカマキリとは思えません。
その後、毎日一回つついて生きているか確認していたところ、5日目にとうとう反応しなくなりました。
ご臨終のようです。
それにしてもすごい生命力です。
カマキリの共食いについて調べてみました。
カマキリのオスは、交尾するときに食べられてしまうというのはよく聞きます。
これはあながち間違いでもないようなのですが、あまり頻繁ではないようです。
一般的にメスの方が攻撃的なのと、カマキリは何度も交尾するので疲れたオスが餌食になってしまうこともあるのでそう思われているようです。
もちろん狭いところに数匹のカマキリを飼っていると、オスメスに関係なく弱いものが食べられてしまいます。
今回の場合も交尾の時に食べられてしまったのかと思っていましたが、後で写真を見てみると、食べられたのはおしりの様子からどうやらメスのようです。
ですから交尾の途中で食べられたのではなく、カマキリがバッタを食べているときに別のカマキリに襲われてしまい、そのまま食べられてしまったのではないかと思われます。
いずれにしてもカマキリの生命力の強さに驚かされた現場でした。