秋も深まりいい天気なので、近所の山に出かけたときに見つけました。
急斜面の道なき道を笹をかき分け、蔦の絡まった木をくぐりながら進んでいきます。
すると少し開けた場所に出ました。
一息つこうと下を見てみると何かがあります。
何だろうな、という感覚ではなく、はっきりと何か見つけてしまったと分かる感じです。
でも瞬間、何かは分かりません。
覚悟を決めてよく見てみると、どうやら卵のようです。
白くて丸くて少し土に埋まっていることから、ヘビかトカゲの卵に見えます。
表面の様子からまだ生きているようです。
恐る恐る触ってみることにしました。
表面をつついてみると予想に反して固くなく、少し弾力があります。
もしかして生み立てかも、と思わせる弾力です。
手に乗せてみることにしました。
つまんで持ち上げる時に、ちょっとした抵抗があって手のひらに乗せることができました。
結構ずしりとしています。
中にしっかりと詰まっている感じです。
この時点で私の卵説は消え、キノコ説に変わりました。
表面は少しひび割れていて、皮の裏側のようにしっとりと滑らかです。
ひっくり返してみてみると肉まんのように指でつまんだ跡のようなものもあります。
やはりキノコでしょう。
しかし一つ気になる点があるのです。
それはキノコにあるまじきずっしり感なのです。
中に水がいっぱいに詰まっている感じです。
これはもう実行するしかありません。
そう、分解です。
もしかすると何か動物の卵で、切ったとたんに中から恐ろしいものが飛び出てくるかもしれません。
出てきた後のことをいろいろと妄想していると決意が鈍ります。
しかし好奇心の方が勝ってしまいました。
ハサミで一気に切断です。
これはデザートですか?
外側はぷるんぷるんのゼリー状で、中はショコラです。
そして中心部には生クリーム。
外側を包んでいるゼリーは甘さ控えめでもっちりとした食感重視です。
中のショコラもビターで甘さ控えめ、口の中に入れるとすぐに溶けてとてもクリーミーです。
そして最後の生クリームはしっかりとした甘さがあって、デザートとしての甘さで脳を満たしてくれます。
と、ここで我に返ります。
まさかこんな山奥にデザートがあるわけありません。
泣く泣くデザートを置いて山を後にしました。
【キノコ図鑑・撮れたてドットコムより】
もちろん帰ってすぐにあのデザートを調べてみました。
しかしなかなか正体が判明しません。
やっとの事でたどり着いた結論は、あのデザートはオオシロカラカサタケではないかということです。
【広島県ホームページより】
傘が開いた状態の写真はたくさんあるのですが、開く前の状態のものは見つけることはできませんでした。
このタケには毒があるそうです。
食べなくてよかった!