私もかつてはオオカミは人や家畜を襲う怖い動物だと思っていましたが、いろいろ調べてみるとどうやら違うことがわかったのです。
オオカミは群れで生活します。
その群れはリーダーを頂点に順位がついている縦型社会です。
群れはテリトリー(縄張り)を持っていて、その中で狩りをして生活しています。
狩りもチームを組んで行い、子育てもみんなで面倒を見るといった、かなり平和的な社会生活を送っているのです。
オオカミは人を恐れ、人に見つからないように行動します。
ところが近年、人による森林伐採や開拓などでオオカミのテリトリーに入り込み、家畜を飼いだした頃からオオカミによる被害が現れてきたようです。
そこで人々はオオカミを目の敵にし、退治していったのです。
もちろん人間の立場になってみれば致し方ないかもしれません。
彼らにも生活がかかっているのですから。
「赤頭巾ちゃん」や「三匹の子豚」など、オオカミが悪役となり主役を襲うストーリーの童話がつくられ、オオカミは悪者というレッテルがいよいよ確固たるものになっていったのです。
それでは日本ではどうでしょうか。
日本ではオオカミは、田畑を荒らす獣を退治してくれる守り神として認識されていたようです。
それが証拠にオオカミが悪者になる民話などは残されていなく、オオカミを奉った神社もあるそうです。
しかし西洋のオオカミ観が浸透するに従い、オオカミを悪者にしていきました。
そしてついに100年ほど前に日本のオオカミは絶滅してしまったと考えられています。
オオカミが人を襲うことは、狂犬病にかかっていることなどを除いて考えられないようです。
(狂犬病にかかっていると闇雲に噛みつきまくるそうです。)
つまり冒頭の記事は、オオカミが人を襲ったのではなく、大雪で遭難して死んでしまった人をオオカミが食べてしまったのだと考えられないでしょうか。
海外ではオオカミを駆逐してしまったために、餌である鹿や小動物などが増えてしまい生態系が崩れ、豊かであった森が逆に豊かでなくなってしまったということが起きています。
そこで再びオオカミを放し、元の生態系にしようとしたところ、様々な動物が戻り、再び豊かな森になったという例があります。
豊かな森の恵みの恩恵にあずかっての田舎暮らしをしようとしている私にとって、他の生物との共存について考えさせられるニュースでした。