今年度の再生可能エネルギー賦課金が決まったようです。
経済産業省によると
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買取価格等を踏まえて算定した結果、平成26年度の賦課金単価は、1kWh 当たり0.75円(標準家庭(月の電力使用量が300kWh)で月額225円)と決定しました
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とのことです。
平成25年度では月額120円だったので倍近くの上がり具合です。
なぜ上がったのか。
それは再生可能エネルギーを設置する人が増えたからです。
特に顕著なのが太陽光発電です。
買い取り価格は1kwhあたり40円→36円→32円と下がっていますが、まだまだ取り付ける人は大勢います。
電力会社から電気を購入する場合は、1kwhあたり約23円くらいです。
売電と買電の差は10円以上あります。
普通に考えれば電力会社が損をします。
でもご存じの通り、その差額は電気を購入している人たちで薄く広く負担しています。
それが再生可能エネルギー賦課金です。
以下は経済産業省のホームページの内容です。
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皆様にご負担をお願いする理由
再生可能エネルギーは一度発電設備を設置すると自然の力で繰り返し発電が可能です。
再生可能エネルギーの電気が普及すれば、日本のエネルギー自給率の向上に有効です。エネルギー自給率が向上すると、化石燃料への依存度の低下につながり、燃料価格の乱高下に伴う電気料金の変動を抑えるといった観点から、すべての電気をご利用の皆様にメリットがあるものだと考えています。
また、本制度によって買い取られた再生可能エネルギーの電気は、皆様に電気の一部として供給されているため、電気料金の一部として再エネ賦課金をお支払いいただくこととしております。
(なお、再エネ賦課金単価の算定の際、買取りに要した費用から、電気事業者が電力を買い取ることにより節約できた燃料費等は差し引いております。)
再生可能エネルギーの普及は地球温暖化対策、日本を支える新たな産業の育成などの観点から、日本全体とって大切なことです。 大きな可能性をもった再生可能エネルギーが私たちの暮らしを支えるエネルギーの一つになることを目指して。
本制度へのご理解をお願い申し上げます。
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電力会社や政府は痛くもかゆくもありません。
太陽光発電などの再生可能エネルギーシステムを取り付けている人たちに、庶民がお金を払っているのです。
つまり、太陽光発電システムは、取り付けたらお得なのではなく、取り付けないと損をするものなのです。
また、太陽光発電システムを取り付ける人たちは資金的に余裕がある人が多いです。
もちろん知恵と行動力で資金不足をカバーする人もいますが、かなりの努力が要求されます。
さらに恐ろしいのが、会社などが節税のために太陽光発電システムを設置するのです。
それがグリーン投資減税というものです。
一般庶民からしたら卒倒しそうな制度です。
簡単に説明します。
会社(青色確定申告をしている事業者など)がその年に大きな利益を出した場合、その分税金も大きくなります。
できれば節税したいのが人情です。
そこにこの太陽光発電を利用したグリーン投資減税の登場です。
太陽光発電システムの設置で数千万円の出費が発生します。
この発生した支出は普通なら17年間にわたって分割して計算されますが、グリーン投資減税を使うとシステムの支出が一括で計上することができるのです。
そして会社の黒字分と相殺させて課税額を少なくできるのです。
支出を分割か一括かで計上するだけなので庶民には関係ありませんが、利益を多く出している会社にとっては有効な節税対策です。
毎年大きな利益を出す会社なら影響はあまりないと思いますが、波はあるので、節税できるときにはしっかりしておこうということらしいです。
他にも多少の優遇が受けられます。
そして後は融資の返済をしながらそれ以上の利益を享受するという好循環が約束されています。
お金持ちはどんどんお金持ちになっていきますね。
システムを取り付けられない人はどんどん賦課金としてお金を吸い取られていきます。
この賦課金は今後再生可能エネルギーが普及するに従って値上げされます。
ますます格差が広がりますね。
もちろんシステムを取り付けた側にリスクがないわけではありません。
たとえば設置業者やメーカーなどの倒産、極度のインフレ、電力会社の電気買い取り拒否など、様々あります。
この辺りのことにもいずれ触れてみたいと思います。