先日のガイアの夜明けは、エタノール燃料をガソリンの代わりに使おうとする、ある企業の取り組みを紹介していました。
エタノールを車の燃料に使う取り組みは、今では珍しいことではありません。
しかし国産のエタノールを使い、事業化できるだけのコストの見通しがついたということで、今回の取り組みは大きな意義があるようです。
ブラジルでは1973年のオイルショックを機に、自前の燃料を作ることを目標にしてきました。
それはサトウキビを原料としたエタノールです。
ブラジルでは多くのフレックスといわれる車が走っています。
この車はエタノールでもガソリンでも動く車です。
エタノールの値段が安ければエタノールで走り、ガソリンの方が安ければガソリンで走ることが出来るのです。
しかもエタノール100%でも動きます。
この場合、簡単に考えれば、排出するものは水と二酸化炭素だけです。
しかもこのエタノールは植物由来ですから、カーボンニュートラルです。
少し燃費は悪くなるそうですが、そんなことは気にする必要はありません。
使っても排出されるものは循環していくだけなのですから。
先進国でエタノール燃料を事業として生産していないのは、日本だけだそうです。
技術的には優れたものを持っているはずなのですが、いまだに広まっていません。
なぜなら、コストの面で事業化が難しいのです。
現在のガソリンの卸値は45~50円/Lで、外国からのエタノールの卸値も45~50円/Lだそうです。
これだけを考えても、日本でガソリンの代わりにエタノールを使うことは、何らかの補助がないと難しいことが分かります。
日本で生産するともっとコストで不利になり、200円/L位の価格になってしまいます。
いくら環境によいからといって、なかなか利用できるものではありません。
ですから、エタノールを車の燃料にすることは、実験的にしか出来ないのです。
その結果、エタノールスタンドなどのインフラも整わず、エタノールを使うことが出来るエンジンも量産できないので高価になり、広まらず、エタノールを燃料にする車が少なすぎ、エタノールスタンドが普及せず・・・・・といった悪循環に陥っているのです。
ところが、ある会社の取り組みで一筋の光明が差し始めたのです。